『しつけの三原則』
1.
朝、必ず親に挨拶をすること。
2.
親に親に呼ばれたら必ずそろえ
「はい」とハッキリ返事の出来る子にすること。
3.
ハキモノを脱いだら、必ずそろえ
席を立ったら必ずイスを入れる子にすること。
じゃ、このしつけのコツはというと
まず、母親自身が、ご主人から呼ばれたら
必ず「ハイ」とはっきりした返事をすろように
努力することです。
この「ハイ」という一語によって
その人は「我」を捨てるわけです。
つまりそれまでの意地や張りの一切を
投げ捨てるわけです。
同時に、それによって当の本人はもとより
一家の人びとの雰囲気までが変わり出す。
昔ね。登校拒否の中学生をもって
困り抜いたお母さんから相談を受けたんですがね。
その解決法はただ一つあるだけで
それは明日からあなたがご主人によく透る声で
「ハイ」と返事をされることですといった。
その人はその通りしたんでしょう。
その子どもはその後11日目には
もう登校しだしたとのことでした。
「ハイ」という言葉が本当にいえたら
非行少年でも徐々に変わってくる。
ところが、本当に「ハイ」がいえる婦人は
百人のうち、二、三人じゃないかな。
費用減を変えればね。これだけの奉給を得るために
主人がどれほど下げたくない頭を下げ
いいたくないお世辞をいっているか~~と
いうことのわかる奥さんにして
初めて聡明な母親となるわけです。
森信三(教育者)