今回は、本田宗一郎氏の名言と取り上げます。
私が、初めて乗った車がN360という車です。
従妹がホンダの販売代理店をした関係で買いました。
その時が初めて、本田宗一郎と言う人を知りました。
その後、私が夜学に通っている時
本田宗一郎さんも夜学に通ったことがあることを知り
身近に感じたものです。
今回は、バイク、車作りに情熱を傾けた
本田宗一郎氏の名言をお届けします。
Contents
人は、「見たり」「聞いたり」「試したり」・・・
人生は
「見たり」
「聞いたり」
「試したり」
の3つの知恵でまとまっているが
多くの人は『見たり」「聞いたり」ばかりで
一番重要な「試したり」をほとんどしない。
ありふれたことだが失敗と成功は裏腹になっている。
みんな失敗を恐れるから成功のチャンスも少ない。
失敗を恐れてはいけない・・・
◆失敗を恐れてはいけない。
恐れなくてはいけないのは
失敗を恐れて何もしなくなることだ。
◆人間、生をうけた以上どうせ死ぬのだから
やりたいことをやってざっくばらんに生き
しかるのち
諸々の欲に執着せずに枯れそして死んでいくべき
という考えだ。
失敗のない人生なんて面白くないですね。
歴史が無いようもんです。
技術屋って、手で物を作る・・・
技術屋ってのは
手で物を作る商売なんで
しゃべったり
文章を書いたりするのは
俺は苦手なんだよ。
その俺にかしこまった人生訓だの
家庭訓だなんて苦手だね。
だいたい、俺にとって家庭訓が一番難しいってことは
世間様のほうがよく知っているよ。
それでもまあ、自分の生き方を強いて言うなら
「当たり前のことを当たり前にやる」
ってことかな。
こんなことは人生訓にゃならないかも知れないけど
俺はこれまで当たり前のことを当たり前にやってきたつもりだよ。
人間にとって大事な事は、学歴とか・・・
◆人間にとって大事なことは
学歴とかそんなものではない。
他人から愛され
協力してもらえるような徳をつむことではないだろうか。
そして、そういう人間を育てようとする精神なのではないだろうか。
日本人は、失敗と言うことを恐れすぎるようである。
どだい、失敗を恐れて何もしないなんて人間は
最低なのである。
◆自分の足りなさを自覚し
知恵や力を貸してくれる他人の存在を知るのもいい経験である。
◆失敗が人間を成長させると考えている。本当に気の毒に思う。
◆新しいことをやれば必ずしくじる。
腹が立つ。だから、寝る時間を削って何度もやる。
ありがとうの握手で流した涙
1991年、本田宗一郎さんは亡くなっています。
生前、宗一郎さんはこんなことを言っています。
「素晴らしい人生を送ることができたのもお客様
お取引先のみなさんの社会の皆さん
従業員の皆さんのお陰である。
俺が死んだら、世界中の新聞に「ありがとうございました」
という感謝の気持ちを掲載してほしい」
実は、宗一郎さんは結構早く社長を引退しているんです。
66歳で引退しいわゆる「会長職」にも就いていません。
「終身名誉顧問」にはなったんですけれども仕事からは
一気に離れたそうですね。
日本中にある、ホンダの事業所販売店から工場から…
当時700ヶ所あったそうですが
その700ヶ所すべてを回って
すべての従業員一人一人と握手して
「ありがとう、ありがとういつもありがとうございます!」
と言い続けていたそうです。
しかも、中には2~3人しか働いていないような
ものすごく田舎の販売店もあったのですが
そんなところも全部回ったそうです。
全部回って一人一人と握手して
何年もかかったそうです。
まわりの人たちは
「ホンダの創業者が直々に握手しにいけば
社員をモチベーションはあがりますよね。
仕事をもっと頑張ってくれて業績も上がりそうですね。
だから握手しにいくんですね」って言っていたそうです。
でも、実はそうじゃないんです。
宗一郎さんはそんなことどうでもいいんです。
自分がお礼を言いたいからまわっているだけだったんですって。
ある日ね
田舎の販売店っを回った時に車の整備をしていた人が
「宗一郎さんが来た!」って聞いて
喜んで走ってきたんですって。
で、握手をしてもらおうと思って自分の手を差し出した瞬間に
「アッ!」って言って
パッと自分の手を引っ込めたんですって。
なぜかと言うと手が油まみれだったんですね。
仕事中に急いで走ってきたから
「今、洗ってきます!」って手を洗いに行こうとしたら
宗一郎さんはその社員の背中に向かって
「その油まみれの手がいいんだ!」って言って
その整備士を引き止めて握手したそうですよ。
両手で。
でもね、嬉しそうにその手をながめて
目を細めて手の油のにおいをかぐんですって。
そんなの見ていたら感動しますよね。
泣きますよね。
宗一郎さんこんなことも言っていたそうです。
「握手すると、みんな泣くんだ」って。
すごいですよ、この人。
だから、本気ですよ。
この「ありがとう」は。
本当に心からみんなに感謝しているんですよ。
「私が一番受けたいココロの授業」より
形は心成り
本田宗一郎さんは、いつもしつこいくらいに
「いいものを作るにはいいものを見ろ」
とおっしゃっていました。
ある時、こんな苦い経験をしたことがあります。
「アコード」の四ドア版を作っていた時のことでした。
ところが本田さんは
「四ドアを従来の三ドアとは全然違うぞ」
と言って憚らない。
ボディは四角く、鍍金を付け
大きく高そうに見えるようにしろと言われるのです。
僕は内心、そんな高級車は
よその会社に任せればいいと考えていました。
ほんの気持ち程度の対応しか見せない僕らに
本田さんは
「君たちはお客さんの気持ちが全然分かっていない。
自分の立場でしかものを見ていない」
と日ごとに怒り募らせてきます。
毎日よく似たやりとりが続き
我慢の限界を感じた僕は
「私はこれ以上できません。
そんな高級な生活はしていませんから」
と口にしていました。
本田さんはそれを聞くなり
「バカヤロー」
と声を荒げ
「じゃあ聞くが、信長や秀吉の鎧兜や
陣羽織は一体誰がつくったんだ?」
と言われたんです。
大名の鎧兜をつくったのは
地位も名もない一介の職人。
等身大の商品しかつくれないのであれば
世の中に高級品など存在しなくなる。
自分の「想い」を高くすればできる。
心底その人の気持ちになればできるんだ。
つくり手は
その人が欲しいのはこういうものだ。
ということが分からなければダメなんです。
想像する力ですね。「像」を「想」う。
その人になり切る。
僕が四十歳になった時
「形は心成り」
という言葉がふっと胸の中に浮かんできました。
やはりいい心でものを考えないといい製品は
できないし、形のいい製品はやはりいい心で
できているんだなと思うようになりました。
元ホンダ常務 岩倉信弥氏
(致知2007年8月号)